目がさめると、
「あ、お父さん、気が付いた?」
と我がイケメンの息子に迎えられ(本当にイケメンなのだ。うしし。)、
ヒゲは生えているが、シンデレラのような気持ちだった。
しばらくすると主治医の先生が来て、
「虫垂はかなり腫れて、すぐに破れるような状態だったから、手術して正解だったよ」と声を掛けてくれた。
先生から切除された虫垂を見せられたと言う妻から、私の虫垂はびろんとしながらも親指大にソーセージのように膨れ上がっており、中には白い石が見え、先生から「糞石です」との説明を受けたとのこと。
石っころだよ、おっかさん。
・・・で、思い出す。
手術前に見えてしまった腎臓に鎮座まします石っころ。
「石が出来やすい体質なんすか?」
って、恐る恐る先生に聞いてみたのだが、
「盲腸の中の糞石は、
腎結石の石とは違います」
としか教えてくれなかった。
ま、当たり前か・・・。
手術当日は細部の記憶が曖昧だ。
きっと手術前は緊張しており、手術後は麻酔が残っていたからだと思う。
この後、便秘と下痢、そして吐き気に苦しんだ。
手術後当日と翌日は便秘で、手術痕の痛みとお腹の張りの痛みが混在して泣きそうだった。
永遠に続くのかと思われた苦しみに、下剤を求めたのだが、
食事が始まり「動いたら出るはず!」と言われて処方されず、
一晩中トイレとベッドを往復しながら、何とか自力で排出した。
そうしたらよ、奥さん。
あーた、今度は下痢になっちゃったの。
「ぴっと感じたら、どばー」
「はっとしてぐー」である。(全然ぐーではない。)
吐き気もひどい。頻繁にゲップのように込み上げてくる。
吐き気については、虫垂炎の炎症度合いが高かったため、通常より抗菌剤が多く投与されていたからかと思ったが、先生によると抗菌剤の副作用ではなく、手術後の一症状とのこと。
吐き気止めを抗菌剤の点滴時に投与してもらい、併せて整腸剤を処方してもらい、何とか乗り切った。